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ここが変だよ大企業のプロジェクトマネジメント

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こんにちは、小宮山です。

筆者はいろいろあって、年齢を問わずに様々なエキスパートを寄せ集めたプロジェクトを結果に結びつける業務が専門になりました。

20代のころから会社に依存せずに食べていけるようになりたいと思ってまして

  1. 伝票処理や発注、会議準備や根回しなどのオペレーション業務に代表される「その会社で評価される雑用系スキル」
  2. メーカーにおける商品企画や検品、調達戦略の策定に代表される「その業界で評価されるクリエイター系のスキル」
  3. ロジカルシンキングやファシリテーション、プロジェクトマネジメントに代表される「どの業種であっても評価されるプロデューサー系のスキル」

のうち、3番目を入社4年目から意図的に伸ばしてきました。

本日のエントリでは、プロジェクトマネジメントにおける定説の間違いについて解説します。

日本を代表するメーカーでプロジェクトマネジメントに関わってよくわかりましたが、とにかく間違いだらけ。

正確にいうと1910年代のアメリカで成功した過去のプロジェクトマネジメント手法から、まったく進歩していません。

プロジェクトマネジメントってのは、まさにアート作品です。

率いる人にとっては「仕事 = 自分の作品」になります。

なのに間違った定説に踊らされて、自分の作品をぐっちゃぐちゃにされることほど、悲しいことはないです。

プロマネをやってみたい人の一助になれたら・・・と思います。

プロジェクトの成否は計画ではなく人選で決まる

日本の大企業では一般的に

「良い経営感覚が先にあって、それに沿って適した人材が集められて、結果として事業が成功するはず」

と信じられています。

筆者の経験上、これは根本から間違っています。

世界的に有名な企業が強い理由を特集したビジョナリー・カンパニーシリーズで有名な、ジェームズ・C・コリンズも

まず人選ありき。

最適な人をバスに乗せ、適当に座らせ、不適切な人をバスから下ろす。

そうすれば自ずとバスの行き先は決まる。

と述べています。

要するに「計画が先、人材が後」は間違っていて、「人材が先、計画が後」が正解だということです。

この「計画が先、人材が後」がフィーバーしたのは、テイラーというアメリカの科学者が行った「科学的管理法」が大勝ちしたからです。

でも今日の統計解析からは、「計画が先、人材が後」ってのは、ルーチンワークであれば100戦100勝ですが、非定型業務が出てくるプロジェクトでの成功確率は極めて少数であることが分かっています。

最適な人が集まらないだと、計画の想定外で起こる危機への対応はできません。

そもそもプロジェクトでは、想定外の事象が発生するのが前提です。

ルーチンワークじゃないですから。

だからタスクフォースという形で選抜されるわけです。

日本の大企業では、上からの指示で集められたメンバーを

  • 仕方がないこと
  • ブランド人でもない無名のお前ごときのために集めてやったんだから

として受け入れてざるをえません。

ですがやる気がない人ならまだしも

  • そもそもプロジェクトに反対の人
  • プロジェクトを失敗させるべく参加した刺客

が参加していると、プロジェクトはどうなるでしょうか?

チームの雰囲気は悪くなるし、リーダーの負担も著しく悪化しますから、結果なんて出せないでしょ。

筆者の場合は、プロジェクトに反対する部門から刺客が送り込まれてきて、ひどい目に会いました。

刺客はプロジェクトがコケた後、自部門に戻って、出世しました。

「よくやった!」ってことですね。

なのでもし、あなたが社長の特命でプロジェクトをやるよう命じられた際に

「このメンバーでは戦えません。ぜひ〇〇さんをください」

と交渉しても、社長もしくは役員がウダウダ言って対応できない場合、プロジェクトリーダーを降りるのが正解です。

そういう会社は何もできないので、見捨てるほうが正解です

日本の大企業は、創業者がハンドリングしている会社を除いて、しがらみが多く、利害関係を調整できないので、社長でさえ身動きが取れないのが実情です。

けれどあなたが、それに巻き込まれる必要はありません。

島田紳助も

勝てる試合だけをする。
負けると思ったら、その場には行くな。
ブッチしてでも行くな。

絶対に行ったらあかんで。

と述べています。

プロジェクトの成功はリーダーの評価になりますが、失敗もリーダーの評価になります。

リソースが足りてなかったからだと後でいっても、言い訳に思われるのがオチ。

悪い印象をもたれると、ゼロに戻すだけでも莫大なコストがかかります。

キャンセルするには、別の部門に異動する or 転職するしかありません。

成功したビジネスパーソンの95%は、キャリアの転機となるような失敗と試練を経験しますが、その試練となった場所から転じて人間関係をリセットしています。

チョンボしたら、人間関係をリセットしない限り、二度とチャンスをもらえないんです。

なので日本の企業が行う革新系のプロジェクトはとん挫するし、誰もやろうとしないんですね。

メンバーの稼働率を100%にすると逆効果

日本の大企業では、プロジェクトマネジメントにおいて間違っていることがもう一つあります。

それは「リソースを100%ギリギリで回すことこそ、よいマネジメントだ」という考え方です。

要するに、遊ばせないってことです。

これは筆者の個人的な経験だけでなく、なんと数学上でも間違っていることが証明されています。

ハーバードビジネススクールのステファン・トルク教授は数学の行列理論を駆使して

稼働率が上昇することで生産性が上がるのは、ルーチン業務においてだけである。
非ルーチンで多くの突発事項を取り扱うプロジェクトでは、稼働率を80%から90%に上昇すると、突発対応にかかる時間が2倍になる。
稼働率が90%から95%に上昇すると4倍になる。

ことを明らかにしました。

筆者の経験上、チーム全体で60~70%位の稼働率で仕事できるようにするのがベストです。

なのであるときは、暇ぷーになるメンバーも出ます。

けれどプロジェクトが炎上したときは、暇ぷーな人に火消しまわってもらえるので、トータルで成功するんですね。

ダメなマネージャーがよくやる「マイクロマネージ」も、NGなのも同じ理由です。

マイクロマネージとは、一挙手一投足、箸の上げ下ろしまで徹底的に行動を監視・管理することです。

進捗が遅いと不安になり、「自分の」不安を解消したいがために頻繁に報告させたり、仕事に口出ししたくなるんです。

部下やプロジェクトのためなんかじゃなくて、実際は自分の感情に振り回されているのに気付かないだけ。

マイクロマネージされる側からすると、稼働率を強制的に100%以上にさせられますから、かえって進捗は遅くなるわけです。

魔の11分に気をつけろ

筆者の大学の後輩にJALのパイロットがいます。

彼によると、航空業界には「魔の11分」なる言葉があるそうです。

航空事故の多くは、離陸後の3分と着陸前の8分の合計11分の間に集中している

とのこと。

プロジェクトも飛行機と同じように、スタート時とクロージング時がもっとも難しく、事故る可能性が高いんです。
なので離着陸のときは、リーダー自らがハンドルを握って、すべてをコントロールしなくてはなりません。

スタート時はワクワク感でいっぱいですが、始めて系のプロジェクトでは初っ端から、とんでもないトラブルが起きます。

トラブルが起きたとたんに揚げ足取りする人も多く、火消しでいっぱいいっぱいになりすぎると、メンバーの士気も低下します。

クローズ時はスタート時の2~3倍大変です。

「まだ止めるべきじゃない。もっと稼げるはずだ!」

という投資家や経営陣の感情を逆なでせずに、うまく着陸しなければ、プロジェクトは失敗とみなされてしまいます。

現場は現場で「解散したら、雇用がなくなる!」ということになるケースが多く、こちらも感情が絡みます。

筆者もプロジェクトのクロージングには、ほとほと手を焼きました。

なぜなら日本の大企業は、さきほども述べたように、コントロールする権限をはく奪される上に、利害関係者が多すぎて調整できないから。

終戦させるときのグダグダと一緒の構図ですね。

筆者は

  1. プロジェクト初期のゴタゴタで体を壊して入院した結果、妻からもう止めてくれと言われてるので、このまま続けさせられるのなら、辞職すると啖呵を切った
  2. 産業医が「このプロジェクトに関わり続けると、筆者は健康を著しく害する」という診断書を書いてくれた
  3. 嫌がらせしてきたアンチ勢力からの「そもそもこのプロジェクトが間違っていた。私はあなた方に大変なご迷惑をおかけしたという始末書を書け」という要求を受け入れた

ことでリーダーから降りたのですが、後任がいないのでクローズになりました。

そのときでさえ

  • 背中を押してくれている社長
  • ファンになっている役員たち
  • 部長
  • ファンになり始めた現場

全員への説明と合意を得る必要がありました。

プロジェクトを行うときには、ここまでやったら・こうなったらバッサリ止めるというExit戦略もきちんと描いておかねばなりません。

それでは本日のまとめです。

  • プロジェクトの成否は計画ではなく人選で決まる。人選がまずありき
  • メンバーの稼働率を100%にすると、かえって進捗が指数関数的に減少していくことは数学でも証明されている
  • スタート時とクロージング時には気をつける。特にクロージングでは、絶対に操縦桿を他人に渡してはならない。

書いていると日本の大企業でプロジェクトをやるのは、まったくもってコスパが悪いことが改めて分かります。

なのでサラリーマンの方は、副業でプロジェクトをすることをおススメします。

では、また明日。

Ciao~。

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

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