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やまたつくんのトラブルカルテ

アラサー男子がトラブル解決策についてまとめるブログ

トラウマのメカニズムと正しい治療法

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こんにちは、小宮山です。

みなさん、今までに思い出しただけで身体が震えるような恐怖体験をしたことはないですか?

筆者は過去に2回、経験しています。

  • 大学の研究室での執拗なイジメ。23~24才のとき
  • 会社で役員に干されたうえに、取り巻きたちからの常軌を逸したヘイトスピーチ。30~33才のとき

もう終わった話なんですが、不思議なことに当時イジメてきた連中に出くわすと、冷や汗がでて困ってました。

どうやら身体が覚えてるみたいなんですね。

ゾッとする恐怖を。。。

自分の中で時間をかけて消化されていくに連れて、症状はなくなっていきました。

社内で上司からひどいパワハラにあった先輩も、同じ症状で困ってると聞きました。

この手の

  • 体の震え
  • 血流が激しくなる

症状は意識しても制御できないので、非常に厄介です。

悪夢にうなされる人もいるとのこと。

今日のエントリでは、トラウマのメカニズムと正しい治療法について解説します。

筆者と先輩は軽いトラウマに悩まされたのですが、現代医学では治療法がようやく確立されつつあります。

いままさに苦しんでいるひとだけでなく、筆者もそうだったように、自分は大丈夫と思っていても誰もがかかりうる心のケガです。

正しい治療法を知っておくだけでも、回復のスピード・安心感は桁違いです。

方向さえ間違っていなければ、あとはやるだけですから。

トラウマは脳内の仮想現実と実現象の解離が原因である

私たちは、体の外で起こっている現象を脳で適当に編集して、仮想現実として認識します。

実際の現象がスクリーンで、そのうえで脳が映画を上映しているようなものです。

映画ではみなさん知っての通り、すべての事象が論理的にコネクトしあって、ストーリーを成り立たせています。

旅行に行ったときを思い出すと自分が思ったことだけでなく

  • 食べた料理の味
  • 土地の空気・音
  • イメージ

などの五感すべてがつながって、思い出されると思います。

ですがトラウマが起こっていると、トラウマに関連した

  • 情動
  • イメージ
  • 思考
  • 身体感覚

がそれぞれ独り歩きしてしまい、何かを体験してもストーリーがバラバラに断片化してしまっています。

パソコンやスマホのキーボードで「a」を入力しても「g」が表示されてしまうように、バグってしまう状態です。

危険はもう去っているのに、いつまでも心や体が反応したり、過敏になったりします。

直そうにもフリーズしちゃっていて、マウスの入力を一切受け付けない状態でもあります。

意識しても止められないんですから。

これがトラウマです。

重症化してると、ブルースクリーンの状態になります。

トラウマの人の脳内で起こっていること

そもそもなぜ、脳の認識機能がバグってしまうのでしょうか?

私たちの脳には、3つのOSがあります。

  • 心臓の鼓動や呼吸、体温調節などの生命維持を担当する脳幹
  • 記憶・感情・感覚といった情動を司る大脳辺縁系
  • 思考・理性を担当する大脳皮質

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トラウマの人の脳では、大脳皮質が活動をストップしていることが、fMRIによって明らかになりました。

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ひとは通常、大脳辺縁系が過去の記憶に基づいた警報にそって行動しようとするのを、大脳皮質が妥当かどうかを判断したあとで、実際に行動します。

大脳皮質は思考・理性を担当しているので、自分の外で起こっている実現象と大脳辺縁系が作る仮想現実が

  • きちんと整合しているか?
  • ストーリーになるか?

をチェックし、ギャップがあるなら修正していくんですね。

脳の支配権は、大脳皮質にあります。

ですが大脳皮質は

「自分で成立させたストーリーが、理性のキャパを超えてしまう」

場合に、活動をストップさせてしまいます。

トラウマになる現象って

  • 戦争における悲惨な経験
  • 自分に徹底的に絶望したとき
  • 親に虐待されたとき

のようにまともに受け止める・認めてしまったら、自分が崩壊しかないことばかりです。

なので緊急処置として、大脳辺縁系に脳の支配権を譲ります。

大脳辺縁系には、ストーリーを作る機能はないので

  • ストーリーがバラバラに断片化したままになり、その処理にすべての脳内メモリをとられてしまう
  • いつまで経っても緊急事態にいると判断し、誤警報をならし続ける

ことになります。

だから

  • 内外から入ってくる情報を正しく評価できなくなる
  • いつまでたっても心や体が過敏になる

んです。

緊急事態にいると判断すると、大脳辺縁系は

  • 体に火事場の馬鹿力を出させるストレスホルモンであるコルチゾール
  • 苦しみに耐えるために有効な脳内麻薬であるエンドルフィン

を分泌します。

いずれも短期での使用が前提です。

トラウマにとらわれる時間が長いと、どうなるのでしょうか?

脳内麻薬中毒になっちゃって、トラウマを再生することが喜びに変わってしまいます。

ですが体は、コルチゾールでボロボロになる一方です。

一刻も早く、大脳皮質の活動を再開させねばなりません。

治療には自分の身体が不可欠になる

ここまで読んでいただいた方には、日本の精神科医が処方してくれる抗精神病薬が、対処療法にしかならないことが分かると思います。

薬は脳の機能全部を下げるだけです。

根本的な解決策になっておらず、欧米ではすでに次のフェーズの治療法、つまり大脳皮質の活動を再開にさせる方法に移りつつあります。

どうすれば、大脳皮質は活動を再開してくれるのでしょうか?

それは

  • ヨガや太極拳、合気道、ダンスなどの体と呼吸を一体化するリズミカルな運動
  • いまここに在る体と情動の感覚を、きちんと認識する訓練であるマインドフルネス
  • トラウマとなっている、つらい記憶を心に思い浮かべながら、指の動きや機械の光の動きを追い、目を左右交互に動かすEMDR

を繰り返すことで、可能になります。

緊急事態にいるという判断を解除してくれるからです。

私たちは脳が司令塔になって臓器を含めた体すべてをコントロールしていると思っていますが、実際には迷走神経と呼ばれる神経系をとおしてお互いに制御しあっています。

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  • 脳による制御は「フィードフォワード」
  • 体・臓器による制御は「フィードバック」

ともいえます。

フィードフォワードとは、前もって状況を予測し目標を設定することで運動を制御をする方法です。

これにより、素早いコントロールができます。

フィードバックでは、今起こっている状態を検知し、それに対して修正を行う制御方法を取っています。

なのでフィードバックは、ゆっくりです。

トラウマの人の脳は、トラウマ経験のストーリー構築作業にメモリがロックインされたままなので、フィードフォワードができずにバグっている状態です。

なので体を通して周囲の状況を確認し、危機が去って安心・リラックスできることを脳に認識してもらい、警報を解除してもらうのです。

ヨガや太極拳は、体がリラックスできるように考え抜かれた動作です。

マインドフルネスは日常動作である

  • 歩く
  • 触れる
  • 呼吸する

などの
動作をするたびに「~してる」と認識し続ける作業です。

ただ感じるだけ。

自分の感情を主体者としてではなく、第3者として見ると、怖れ・心配・不安・怒りなどの負の感情が心に生まれても、傍観することができます。

マインドフルネスを行っていくと、体の反応に対する主体性が得られていきます。

主体性とは、自分の人生を自ら取り仕切っているという感じのことです。

大脳皮質に脳の主導権を戻していく作業ともいえます。

体さえ動かせない人には、眼だけを動かすEMDRが有効です。

脳に左右交互の刺激を与えると、右脳の興奮状態や、左脳の機能低下が和らぎます。

なのでバランスの取れた状態を取り戻し、トラウマを解消できるというメカニズムです。

視覚だけですから、五感をフルに使うヨガやマインドフルネスに比べると、大脳皮質の活動をゆっくりONにしていきます。

活動を早くしすぎると、心がついて行き切れずにかえって回復が遅れるケースもありますから。

ある程度回復したら、伝えたい思いやコンセプトを交えながら、トラウマの体験を論理的に再上演するストーリーテリングを通して、回復を加速していきます。

認知行動療法とも呼ばれています。

日本の医療ではこっちが先になっているケースも多いですが、はっきりいって間違ってますから注意が必要です。

それでは本日のまとめです。

  • トラウマは自分は大丈夫と思っていても誰もがかかりうる心のケガであり、仮想現実と実現象の解離が原因である
  • トラウマの人の脳では、思考・理性を担当する大脳皮質が活動をストップしている。いつまでも緊急事態にいるという仮想現実が修正できない
  • ヨガや太極拳、合気道、ダンス、マインドフルネス、EMDRなどで自分の身体を使って脳内警報を解除することが、治療になる

トラウマの治療をパソコンで例えると

  1. ネットからの情報入力がオーバーロードして、Windowsが大脳辺縁系というリカバリープログラムを発動する
  2. メモリが占有される結果、マウスやキーボードからの入力を受けつけないし、フリーズ状態へ
  3. しかし壊れたのではなく、大脳皮質というCPUは生きている
  4. 体というコマンドプロンプトを使って、タスクマネージャーを起動し、リカバリープログラムを解除する

って感じですね。

では、また明日。

Ciao~。

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

 

*1:身体はトラウマを記憶する

*2:身体はトラウマを記憶する