こんにちは、小宮山です。
筆者の両親の世代には
「お中元」
「お歳暮」
がありました。
人間関係は「ギブ・アンド・テイク」でなければならない。
そう教わってきたような気もします。
一方で筆者が尊敬する会社の上司や自営業の方々は
「ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・・・」
でギブばっかりです。
もちろん
「テイク」
ばっかり考えている輩も寄ってきますが、たまにお灸をすえているものの上手くやっています。
今日のエントリでは、人生で成功したいなら誰かにタカるのではなく与えることが正解であることについて解説します。
ギブばっかりやってる人は、実は返してもらうタイミングを後ろに遅らせているだけなんです。
そしてタカってばかりいる人は短期では利益を得ますが、長い目で見ると損をするんですね。
投資におけるロング戦略とショート戦略そのものです。
イイ人はカモにされるのか?
ペンシルバニア大学の教授に最年少で昇格したアダム・グラントが「成功」という尺度で見たとき、最下位にいるのはどんな人なのかを解析しました。
- ギバー(GIVER)= 与える人:「何をしてあげようか」という意識の人
- テイカ―(TAKER)= 奪う人:「何をしてもらおうか」 という意識の人
- マッチャ―(MUCHER)= 損得のバランスをとる人
実に多くのギバーがいることが分かりました。
要するに「カモ」ってことです。
これはみなさん、腑に落ちるのではないでしょうか。
「善人は早死にする」
ということわざがあるぐらいですから。
しかしここからが、面白いんです。
それから「ギバー」が敗者の方にいるなら、最も成功している勝者には誰がいるのだろうと調べてみました。
するとトップの方にいるのもまた「ギバー」だったのです。
いつも他者を助けることを優先している人々は敗者ばかりでなく、勝者のほうにも多く登場していました。
「マッチャ―」と「テイカー」は中間に位置していました。
しかもギバーはトップの成績をとるだけでなく、裕福になることも得意だった。
親切な人・他者に与える人のほうが長生きするという結果も得られた。
カモにならないギバーは成功するんですね。
成功するにはいい人にならねばなりませんが、あまりにも利他的なギバーはテイカーにカモられてしまい、消耗していく一方です。
その結果、貧困層に転落します。
そしてテイカーは長期的に得をしないこともレポートされています。
ちょっとしたごまかしや横暴さで人を出し抜くテイカーが組織にいると、社会的環境を害するため、時期に人々は意図を見抜き、テイカーを排除することも分かった。
1人のテイカーがいると 1人のギバーがもたらす好影響の2倍から3倍の悪影響が生じる。
ちなみに大多数の人は、ギブ&テイクを基本とする「マッチャ―」です。
ギバーとテイカーを見抜く方法
ところがみなさん感じていると思いますが、テイカーって見抜きにくいんですよね。
私はずっと人当たりのいい人がギバーで人当たりの悪い人がテイカーだと思い込んでいましたが、データを集積して 愕然としました。
これらの特性には 全く何の相関性もなかったのです。
とアダム・グラントも言っています。
テイカーは一見すると、人当たりがすごくいいんです。
詐欺師タイプですからね。
それではテイカーを見抜くには、どうすればよいか?
それは
「自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を、4人挙げてください」
っていう質問を飲み会などのリラックスした場で投げかけてみてください。
テイカーは本人よりも影響力のある人の名前を挙げるはずです。
ギバーは自分よりも地位が下の人、あまり影響力のない人や役には立たない人の名前を挙げることが多いです。
あるいは
- 飲み会の席で楽しんでない人のところに「自然に」行って盛り上げる人は、ギバー
- 自分が楽しむことを第一にしてる人は、テイカー
でもあります。
他にもレストランの従業員やタクシーの運転手といった自分よりも下に見える人への接し方ですね。
テイカーは上には媚び、下を虐げることでうまく生きていますから。
カモられないための正しい方法
テイカーにカモられないギバーになるためには、どうすればよいのでしょうか?
それは
「しっぺ返し」
です。
最初は協力し、そのあとは相手が選んだ戦略を真似し続けることです。
囚人のジレンマという有名なゲームがあります。
お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなるというジレンマである。
共同で犯罪を行ったと思われる囚人A、Bを自白させるため、検事は2人に次のような司法取引をもちかけた。
本来ならお前たちは懲役5年なんだが、もし2人とも黙秘したら証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年だ。
もし片方だけが自白したら、そいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。
この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
ただし、2人とも自白したら、判決通り2人とも懲役5年だ。
このとき2人の囚人は
共犯者と協調して黙秘すべきか?
それとも共犯者を裏切って自白すべきか?
というのが問題である。
なお彼ら2人は別室に隔離されており、相談することはできない状況に置かれているとする。
この囚人のジレンマで最強となった戦略が、単純な「しっぺ返し」だったんです。
どんなに複雑なプログラムであっても、勝てませんでした。
初めのうち、いい人は踏みつけられてしまいます。
ですがしっぺ返しをしていくと時間を経つにつれて、テイカーは大きな利益を得られなくなっていきます。
周りにマッチャ―がいればなおさら。
しっぺ返しはマッチャ―の戦略そのものですから、全体の中でギブの比率が多いマッチャ―が最強のギバーとも言えます。
そして最後はなんと、テイカーもいい人のように振る舞うようになります。
そうしないと損だからです。
つまり、しっぺ返し戦略は本人のみならず全体の利益も促進するんです。
筆者と気が合うのは、「ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・・・」を基本にしてますが、テイカーにやられたら倍返しまではいきませんが、きっちり後で落とし前をつける人です。
ひたすら「ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・ギブ・・・」な人は、正直なところ「愚人」あるいは「社畜」にしか見えません。
それでは本日のまとめです。
- ギバーは敗者にもなるが大勝ちする人にもなりえる。ポイントはテイカーにカモられるか否か
- テイカーは一見するといい人なので見破りにくい。しかし上には媚び、下を虐げることでうまく生きているので、偉い人がいない場での振る舞い方でジャッジできる
- カモられないためには、最初は協力し、そのあとは相手が選んだ戦略を真似し続ける「しっぺ返し」が最強である
ギバー、テイカ―そしてマッチャ―。
あなたはどれになりたいですか?
これは固定したものではなく、同じ人間でも相手によって違います。
家族や友人にはギバーになる一方で、職場ではマッチャーやテイカ―になるとか。
自分の意志で選べるからこそ、面白いですね。
では、また明日。
Ciao~。

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